一人でトイレに入れない男の子

ショッピングセンターの女性用トイレから出て鏡を見ていたら、小さい男の子が、キョロキョロ中を覗き込んでいる。

「母親が入っているので、呼びに来たのかな?」と思って確認したが、誰も入っていない。
私がじっと見ていると、出て行ってしまった。
すぐにまた入って来た。

「どうしたの?」
何も言わずモジモジしながら、中央にある男子用の小便器を指差した。
そうか…おしっこをしたいんだ。

「そこでしてもいいのよ」
男の子はパンツを下げて、モジモジしている。

届かないのかなと思い、私は、女性用トイレの和式の便器を指差して、「こっちの方がいいかな…」と男の子の背中を押した。

でも足が短くて便器をまたげない。
私は男の子を抱きかかえて、おしっこをさせた。

終わってから、「トイレットペーパーで拭くの?」と聞くと、頷いたので紙を渡した。
男の子は、手を洗うと駆けていった。
「ありがとうは?」と言ったが、何もこたえない。

外に出てみると、母親が押すショッピングカーの横を、何事もなさそうな顔で歩いていた。
母親はトイレの中で子供を見ているべきなのに、と複雑な気持ちになった。

Posted on 15 8月 '14 by , under nocategory.